今年の節分は例年より1日早く2月2日なのですね。暦のズレを補正するためで、124年ぶりだそうです。節分の豆まきは教会とは関係のない行事ですが、キリスト教主義の幼稚園などでは工夫を凝らして、豆まきを行っているようです。ある幼稚園では「鬼は外!」とは叫ばず、「福は内!鬼も内!」と言うそうです。その優しさに鬼のツノも引っ込みそうですね。
本来、節分の鬼は「厄災」の象徴です。災害や疫病がまさに鬼の正体です。そんな厄災を「内にどうぞ」とは言いたくないでしょう。しかし厄災はすでにわたしたちの生活の中に居座っています。ならば厄災に苦しむみんなで労苦を分かち合い、支え合うという意味で「苦しむ人も内にどうぞ」と言えるかもしれません。
「私が来たのは、罪人を招くためである」と聖書は語ります。罪人とは悪い人という意味ではありません。真の恵みに出会えず苦しむ人のことです。この厄災の世において、一人で苦しんでいる人にこそ「内にどうぞ」と神さまは招いておられます。それこそまさに「福は内(=IN)」福音ですね。

(斎藤成二)